今日は、”1兆ドルコーチ”についての要約をしていきたいなと思います。
この本からはコーチングという側面以外にも学べる点が数多く存在するので、実際に読んでいただけると何よりです。
作中に度々登場するビル・キャンベルって何者?

アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者。
1兆ドルコーチ
ジョブスの師であると同紙に、グーグル創業者たちをゼロから育て上げたコーチ。
アマゾンのベゾスを救い、ツイッター、ユーチューブCEOらを鍛え、たった1人で、シリコンバレー中の企業に空前の成功をもたらした伝説のリーダー。
これが作中に登場する、ビル・キャンベルについての説明です。
通称“GAFA”と呼ばれる、名だたる企業の創業者たちのほとんどはビルのコーチングを受けております。その功績が推定で1兆ドル以上の価値があったので本の題名が1兆ドルコーチになったとの事です。
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本の構成
ざっくり、この本の構成を紹介します。僕自身読んでいる章と読み飛ばした章があるので概要のみで紹介します。
※本当に概要だけなので、興味ある方は是非買って読むことをお勧めします。

1.ビルならどうするか?
この章では、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズらに対して、ビル・キャンベルが会社がどういった状況の時に、どういったコーチングを施したかについて鮮明に記載されています。
ビル・キャンベルのコーチング歴がこの章では書かれています。
・GAFAのような会社におけるコーチングが必要な状況ってどんな時なの?
・実際にGAFAやその他のアメリカの大企業に起きた歴史は?
・以上の場面に遭遇した時に1兆ドルコーチが何を大切に判断を下したか?
経営者視点で読める方には1章はおすすめですが、そうでない方はインプットできる情報が少ない印象です。
2.マネージャーは肩書きが作る。リーダーは人が作る
この章ではビルが望むリーダーとしての在り方が書かれています。
以下のような考え方を持っている方には刺さる章かもしれないです。
・理論はしっかりしているのにも関わらず、誰もついてきてくれない
・感情や人間らしさを持ったリーダーを目指している
・自分より優秀なメンバーのマネジメントが分からない
論理<<感情を大切にしたいリーダー像を持っている人はこの章は見逃せません!
3.「信頼」の非凡な影響力
この章のキーワードは”心理的安全性が潜在能力を引き出す”です。
信頼関係を構築するハウツーベースでまとめてあるのがこの章で、僕が個人的に一番学びが多かった章なので、後程紹介します。
4.チーム・ファースト
この章における、重要な考え方としては、チームをミクロとマクロの視点で見る事です。
大切な考え方としては、”個々人の取り組む先には最後はチームとしての成果に着地し、ただ、成果を上げている構成要素は紛れもなく個人一人一人”だという事です。
このミクロとマクロの視点を持ってこの章を読んでみると、
・チームとしてどういう理想を掲げたいか?
・そのために個々人にはどう落とし込んでいけば良いか?
など、チームで何かをする人の解決の糸口が見つかると考えております。
5.パワーオブ・ラブ
この章では”ビジネスに持ち込むべき愛”を学ぶことが出来ます。
ビジネスとは、論理で固める場面が多く、時には冷徹にならなければなりません。
そんな冷え切った環境下にどうやって”人が持つべき愛の力”で温かみを持たせられるか。
この章を読めば基本的なスタンスや、何をすれば良いのかが見えてきます。
6.ものさし
1章~5章までは、人の”愛の力”に着目してきました。
6章ではそんな愛の力を行使した時に何を持って成功とするか、
そして、自分の成功の尺度(ものさし)をどう図るかを教えてくれます。
筆者の学び:コーチングの人間関係の作り方は人生を豊かにする

この本の構成を読んでいただいて分かるように、ビル・キャンベルはコーチングや経営者としての実力もさることながら、人に好かれるスキルに長けていたのが1兆ドルコーチたる所以だと僕は考えています。
ある学術論文には以下のように書かれています。
”信頼とは、相手の行動へのポジティブな行動に基づいて、進んで自分の脆さを受け入れようとする心理的状態である。”
そしてビル・キャンベルは信頼は以下の4つから構成されていると言います。
①信頼とは「約束を守ること」である。
②信頼とは「誠意」である。
③信頼とは「率直さ」である。
➃信頼とは「思慮深さ」である。
以上を踏まえて、筆者の言葉を借りながら、人に好かれる、信頼関係を構築するために必要な事を改めてまとめたいと思います。
1.フリーフォーム(自由回答式)で話を聞く
フリーフォームで聞くとは、”相手の話に対して全神経を集中させ、とにかく耳を傾ける事。そして質問を積み重ねる事によって問題の核心に迫る事”です。ここで重要になるのが、相手が言いそうなことを先回りして考えないようにすることです。
2016年のハーバード・ビジネス・レビュー誌の論文によると、
”発見や洞察を促すような質問をしょっちゅうする人は、最高の聞き手だと相手に思われる。”との事です。
だからこそ、相手から答えをいきなり引き出したり、こちらから提案するのではなく、ゆっくり、ゆっくりと会話を積み重ねていく中で相手の求めている事に近づいていくのが信頼関係構築の上では欠かせません。
2.”聞く・話す”の内容は特別ではなくありきたりで良い
人と話すにあたって、「何か特別な事を話さねば!」
そう思う人が多いのではないかと思います。しかし、実際はそうではありません。
”相手に対しての尊重・敬意”があれば、信頼関係は構築できるのです。
この根拠となる論文を2つ提示します。
スウェーデンのルンド大学の研究によると、従業員の話を聞く/声をかけるといったありきたりの何でもない事が、”自分が尊重されて、名もなき存在からチームの一端を担っている実感値になる”のでリーダーシップの重要な側面になっている。
同じくルンド大学の研究によると、自由回答式をしてその返答に耳を傾ける話し方は、
相手の有能感(自分は今試されていて、それに現に応えられているという感覚)や自立性(自分が状況をコントロールし、選択しているという感覚)を高める。
だからこそ、何も特別なことが言えなくても、しっかり聞く・聞いたものについて話すが出来れば自ずと信頼関係が高まっていくことは間違いないです。
3.完全な率直さと素直さを持つこと
ここでいう完全な率直さと素直さとは大きく分けて2つあります。
①フィードバックは瞬間で捉え、良い点も悪い点も包み隠さず伝える事

発言や行動を瞬間で捉える、すなわち具体化を徹底する事によって的の得たフィードバックでかつ、”自分の事をちゃんと見てくれている”安心感を与える事が出来ます。
批判的なフィードバックに関しては、必ず伝えてあげるのが良いですが、人目のつかない所で与えるように気を配るのが重要です。誰かの前で恥をかかされる=開示の恐怖に繋がるからです。タイミングが重要です。
また、ネガティブなフィードバックしか思いつかない時には、上手くやっている面や良い面を考えるように思考をシフトしてください。
重要なのは”アメかムチ”ではなく、”アメとムチ”になる事です。
そして、僕個人が思ったのは、アメとムチのバランスと順番が重要だという事。
いきなりネガティブな事を言われても人間すんなり入って来ません。まずはとにかく褒めて、肯定して、自身の言う事がすんなり相手の中に入る状態を作りましょう。
それが出来て初めてポジティブ・ネガティブ両方の側面から本音の話が出来るようになるでしょう。
②すべきことを指図しない事

お母さんに宿題やりなさい!って言われたらやりたくなくなるのと同じ原理です。
大切なのは”何をするのか”を教えるのではなく、”何の為にするのか”を教えることです。
重要性を説いてあげましょう。
友人や職場の仲間においても同様で、
”こうした方が良いからやるべきだよ!”という指図が良いのか、”こうした方が○○に近づくね!”や”こうする事には△△という意義がありそう!”という目標や意味を一緒に考える共感が良いのかは一目瞭然です。
これがティーチングではなく、コーチングがコーチングたる所以ですし、日常の会話をポジティブにするための思考にも転用が出来ると思います。
4.自己開示を忘れずに
人間の心理で”返報性”という性質があります。
返報性とは、他人に借りがある状態は好ましくないので、何かお返しをしなければという性質の事です。

要は何が言いたいかというと、
基本的に自分から自分の内側を開示すれば、ほとんどの人がそれに応じて内側を開示してくれるようになります。
ただ、ここで重要なのが
相手の殻を破るためにまずは自分が殻を破る事です。
もしこれが出来れば、
・自分が普段言わない事を言う
・相手もそれに総じて普段言わない事を言う
・お互いの共感や違和感のような様々な感情が生じ、話が深まる
・相互理解が深まり、更に情報開示が進む
の好循環に入ることが出来ます。
だからこそ、相手を理解しなければという思考が先行してしまっている場合には、
敢えて自分の情報を開示して相手に理解させた方が近道になるかもしれないです。
最後に
1兆ドルコーチから僕は、コーチング、部下マネジメント、他人の動かし方…等々
総じると”人との信頼関係の築き方”と”信頼関係を基にどう前に進んでいくか”をを学びました。人との関係構築が必要な仕事をしていく人には刺さる本になっていると思うのでぜひ読む事をお勧めします。
ではまた!

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