”人と深く関われるから人材業界に行きたい!”
こんな動機で人材業界を志望している就活生の方、多いのではないでしょうか?
実はこれ、要注意です。
今回は人材業界を見るに当たって、重要なポイントを整理します。
これから人材業界を見始める方はこちらの記事を参考に企業選びをしてみると良いです!
そして、この記事を読んだ後には、企業分析する観点が増えていると幸いです!
では早速行きましょう!
※もし人材業界の動向が気になる方は先に以下の記事を見てください!
まずは企業を4P分析で整理してみよう!
企業分析をする際に企業を分析する為の4P分析は非常に有効なツールです。
人材業界以外の業界を調べる時にも使えるフレームなので是非活用してみてください!
Philosophy(経営理念)

どのような思いで会社が成り立っているのか。
その想いは企業毎によって異なります。
僕の肌感にはなるのですが、人材業界の理念は以下の2つのタイプに分かれている気がします。”何に重きを置いている会社なのか”は最低限抑えておくべきです。
リクルート等大手人材会社に多い印象。いかに効率良く企業と求職者をマッチングさせるかに重きが置かれている印象。社内システムが整っている会社ほどこの傾向が強い。
②人への介在価値大切にしたい派
いかに求職者の納得のいくキャリアを歩んでもらえるかに重点を置いている印象。大手だとパーソルグループが”はたらいて、笑おう。”という理念を掲げていて特徴的だが、比較的中小に多い印象がある。
大きくカテゴライズすると、2つにしか分かれていないですが、更に人材業界の会社を理念で差別化する為にはもう一つ踏み込んだ分析をしましょう!
結論から言うと、過去×現在×未来で企業を知る事で、その企業だけの色を見つける事が出来ます。
②現在:想いをどんな形でアウトプットしているのか(現在の事業内容)
③未来:今後ビジョンを基にどういった事業展開をしていくか
ここで、理念(想い)と事業内容(行動)に乖離が生じている企業であると、実際に入社してからのギャップが生じる可能性が高いです。
IR(投資家向け情報)は企業の中長期ビジョンが載っているので、公開されている企業であれば見る事をお勧めします。
Profession(事業内容・業務内容)
”人と関わる仕事がしたい!”という動機の方はここがかなり漏れているケースが多いです。まずは人材業界の中で一般的なビジネスモデルである、派遣・紹介・求人広告について整理していきましょう。
まずは各業態の大枠の理解からしていきましょう!
人材派遣

人材派遣は約4.4兆円の市場規模を誇り、人材業界の中でも一番市場規模の大きい業態になります。(僕は就活終えるまで紹介が一番市場規模が大きいと思っておりました、)
以下が人材派遣の業務の流れです。
一般的に、営業担当とコーディネーターという職種に分かれているのが一般的なケースです。
・新規開拓
・稼働中の派遣スタッフのカウンセリング
・既存企業へのヒアリング
人選(派遣先企業からのオーダーに見合った派遣スタッフを登録スタッフの中からマッチングする)
大手になれば営業担当とコーディネーターが分かれており、中小になるほど一人で兼任するケースが多い印象があります。
人材派遣では、”いかに社員が派遣先で長く働けるようフォローするか”がカギになります。
何故なら、派遣業では契約更新の度にマージンが入る仕組みになっているので、継続的に働いてもらわないと派遣会社の収益にならないからです。
ですので、派遣スタッフへの定期的なカウンセリングを楽しめる方は適性があると思います。
人材紹介

人材業界=人材紹介と思っている方も少なくないのではないでしょうか?
人材紹介は約3000億円の市場規模と派遣と比較した時に市場規模は小さいものの、かなり伸びている業態です。
人材紹介における大枠の仕事の流れは以下の通りです。
人材紹介では、法人営業担当のRAと、求職者担当のCAに分かれているケースが多いです。(どちらも兼業する両面型という業態の企業もあります。)
大きな流れは人材派遣とは変わらないですね。
新規開拓or既存フォロー
↓
契約締結
↓
ヒアリング
↓
求人票の作成
↓
人選(CAが行う場合も)
↓
書類推薦
↓
面接日程調整
↓
内定
↓
請求書発行
登録者に架電
(大手だと架電しなくても候補者が一定数来るのでしないケースも)
↓
ヒアリング準備
↓
ヒアリング
↓
求人紹介
↓
内定までのフォロー
(書類添削&面接対策等)
↓
退職フォロー
派遣では契約更新毎に収益が発生するのに対し、紹介では内定時(入社時)に初めて収益が発生します。(いわゆる成功報酬型と言われるものです)
また、紹介では派遣と異なり、原則正社員の雇用での支援です。
なので、より長期的なキャリアを見据えた方の支援ができ、人生のより大きな決断に携わることが出来るのが最大の魅力です。
求人広告

求人広告は約1兆円の市場規模を誇る業態です。
最近ではエン・ジャパンのengageの様に成果報酬型の求人広告も出てきておりますが、一般的には広告の掲載料を支払ってから広告運用を行っていく前課金型のビジネスモデルを取っているケースがほとんどです。
求人広告における大枠の仕事の流れは以下の通りです。
↓
契約締結
↓
求人広告掲載のヒアリング
↓
求人広告作成&運用
↓
定期的な見直し
先行投資であり、企業にとってのニーズ掘り起こしや魅力訴求が適切でないと導入まで至らないケースが多いので、3つの業態の中でもかなり営業力のつく業態だと思います。
かつ、母集団形成~内定までの運用計画を作り、PDCAを回す力が試されるので営業力だけではなく、データを適切に読み取り、課題を抽出し、実行に移す力がつきます。
しかし、求職者が媒体を見て選考を進めるビジネスモデル上、求職者と接点が持てる
ケースはほとんどないと言っても良いでしょう。
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業務の具体化がかなり重要!

派遣・紹介・求人広告のざっくりとした概要は紹介しましたが、更にここから具体化させていく必要があります。以下の観点で見てみると、より業務を具体化出来ると思います。
あくまで目的は”自分の働くイメージとのすり合わせをする為”です。
その業務に就いたことがなくても業務の説明が出来るレベルまで行くとミスマッチはかなり防げるのではないかと思います。
人材紹介に関するものが多いですが、以下、ぜひ参考にしてみてください。
✅サービスの主要ユーザー(支援したい候補者の大枠の層を掴むため)
✅1日の大まかな業務の流れ(ざっくりと大枠を掴むため)
✅新規と既存の比率(新規開拓と深耕営業だと関係構築の流れが異なる)
✅営業のどこまでを担当できるか?
(大手だと営業内で業務が分業化されているケースがある)
✅KPIはどこに置いているのか?(金額?紹介人数?その他?)
✅予算はどれくらい持てるのか?そこに向けてどういった形でPDCAを回していくのか?
✅営業とコーディネーター、CAとRAの社内比率
(自身が配属される可能性を測る、かつ企業状態を測る)
(例:RAに対してCAが多い企業:ある程度の企業開拓ができ、候補者が来る人気サービス)
(例:CAに対してRAが多い企業:新規開拓に力を入れており、これからサービス拡大を図っている可能性がある)
✅営業とコーディネーター、CAとRAはどのように連携を取るのか
(直接やり取りできるケースもあれば、メールのみで間接的な場合もある)
✅営業とコーディネーター、CAとRAが分業されているか、兼任するか
✅担当求職者数、担当顧客数
✅業務で使うツール(Microsoft Office、Google Drive,社内システム等)
✅どんなスキルが身に付くか
✅どんなキャリアパスが想定できるか
上記はあくまで一例です。
ぜひ皆さんからもこんな項目があるともっと具体化出来る!というのがあればぜひコメントいただければと思います。
People(人・組織風土)

就活時に、僕が大切にしていた言葉があります。
それは、キャリアを選ぶときの重要な観点は、”誰”と、”何”をするかです。
その会社・組織はどんな風土で、どんな人が多いのか?
ぜひ言語化してみてください。
そして、その風土を作っている根源は何なのか?
(理念なのか、事業内容なのか、制度なのか、)
想いが無い所に人は集まらないです。
もし、興味を持った会社に魅力的な人が多いのであれば、なぜそんなに魅力的な人が集まっているのかを考えてみると、1つ深い企業分析が出来るかもしれないですね。
Privilege(福利厚生・特権)

ここも、ライフプランを作る上では重要な観点です。
社会保険はマストで見るべきですが、
自分のライフプランといかにフィットするかという所が重要になってきます。
こちらも項目化しているので、ぜひ確認してみてください!
✅月の平均残業時間はどれぐらいか?みなし残業を超えた場合の手当は?
✅交通費手当・住宅手当は?
✅自己投資を支援する制度は?(資格支援など)
✅産休・育休は取れるか?
✅評価制度はどのようなものか?誰が評価するか?満足度はどれくらいか?
✅年収レンジは?
✅キャリアパスは?実際に実現可能性はどれぐらいある?
最後に
まずは、長文の記事、読んでくださりありがとうございました。
今回は企業選びの4P分析から入り、人材派遣・人材紹介・求人広告の違いを始めとし、具体的な業務から人材業界の企業分析をしていく方法をお伝えしました。
ぜひ良いなと思った観点がありましたら使ってみてください!
皆さんの就活に小さな気づきと大きな築きを。
ではまた!
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新卒1年目の人材系社会人が書いた中間レポートです!
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